肥料について


作物を育てている皆さん、いつも何気なく肥料を入れてはいませんか?

 

肥料を与えると、確かに作物がよく動くように見えて、「私たちにゴハンが必要なように、作物にも肥料がいるなあ」と感じている方は多いと思います。


代表的な肥料がN(チッソ)P(リン酸)K(カリ)で、それぞれ葉肥、花肥実肥、根肥と呼ばれてきましたが、植物生理学的にも細胞の材料となるアミノ酸、核酸や細胞膜、細胞質の生成に不可欠です。

市販されている肥料袋には15.15.15などとそれぞれの成分容量が記されており、それを目安に基肥や追肥の量を調整されていると思います。

 

続いてCa(カルシウム)Mg (マグネシウム)S(イオウ)が多量元素とされ、それぞれ細胞内で重要な働きをしています。最近はNPK肥料に混和されていることが増えて、そのぶん肥料価格にも反映されています。

残りの一番肝心なC(炭素)H(水素)O(酸素)は空気と水から得られますが、これもCO2生ガスや燃焼装置を光合成促進と謳って、新たな商品化が進行し始めています。

 

 

以上9種が多量元素とされ、残りFe(鉄)Cu(銅)Mn(マンガン)Zn(亜鉛)Mo(モリブデン)B(ホウ素)Cl(塩素)Ni(ニッケル)の8元素が微量元素とされています。

微量元素は土耕栽培であればほとんど気にする必要はありませんが、同じ作物を連作するときは肥料の吸収特性が現象化しやすいので、数年おきくらいにはチェックする方が賢明です。

 

 

現在はこの17種が植物が脂質、糖質、たんぱく質の有機物をつくるための必須元素とされていますが、大は小を兼ねる式の投与は弊害を生みます。

その点有機肥料は逆に見れば必須元素を含有し、物質循環や土づくりに貢献する小動物や微生物たちのゴハンにもなるということで、化成肥料から有機肥料への見直しが進んでいますが、化成肥料と同様やり過ぎは禁物です。

 


 

畑には皆さん肥料を入れますが、山に肥料を入れる方はいません。でも20mを越す杉林や自然林の人を拒むような旺盛な植生を目にすると、畑を超越するエネルギーが感じられますね。

その元になる栄養分はどうなっているのかと考えることは、『良い農業』への第一歩になるはずです。

なにしろ植物は我々動物よりも数千万年先がけて海から地上に進出し、無機物から有機物をこしらえ酸素を生産して、我々が生きていける環境を今もなお作ってくれています。

もちろん我々のためではなく自分たちの子孫を作らんがためですが、そこを理解されれば『楽しい農業』が近づいてきます。

 

これまでの施肥指導は総じて「肥料が足りていない」ことを課題としていましたが、近年は「肥料が多過ぎる」ために病虫害の発生や品質低下の害の方が現実となっています。肥料を減らすことは減収の不安がぬぐえずに勇気のいることかも知れませんが、植物は子孫をつなぐために、厳しい環境の下ほど生きる力を発揮しますので、1ウネからでも始めないと『楽しい農業』は遠のくばかりです。

 

いざやってみた方々は「目からウロコ」を経験されて、さらに現在唯一不足している成分「ケイ酸」(すぐに吸収される水溶性ケイ酸)の必要性を実感されております。