「化学式NO3-Nで表され、チッソが最も酸化された形である。
水によく溶け、肥料成分としては即効性である。反面、ハウス等で多量に施すと濃度障害を起こしやすい。
動物が多量に摂取するとメトヘモグロビン血症(ブルーベビー症)の原因となる。動物の体内で硝酸態チッソが亜硝酸に還元されて血液中のヘモグロビンと結合し、酸素欠乏を引き起こすためである。
また、この亜硝酸態チッソは二級アミンと反応し、発がん物質であるニトロソアミンになるともいわれている。
このため飲料水(地下水)、野菜等に含まれる硝酸態チッソ濃度は規制される方向にある」(農業技術事典から抜粋)
濃度の規制はEUで3000ppm。アメリカ、カナダも追随の方向性で、わが国では検討がなされ始めたところですが、硝酸態チッソの低減の基本は少肥にしなければならないということで、技術要因に加えて多分に経済的問題をかかえて停滞気味のようです。
折りしも2007年12月に佐賀市内の小学校で飼っていたヤギが、スーパーから譲ってもらった白菜を餌にして3頭が硝酸態チッソの急性中毒で死んだというニュースが飛び込み、厚生労働省や農林水産省をあわてさせているようです。
一般的にセリ科やアブラナ科の葉モノは畑作作物として硝酸態チッソを好んで吸収し、成長点といえる葉柄の付け根に栄養素のチッソを待機させます。
収穫量を上げようとして多肥になればその分硝酸態チッソが滞留するわけです。
硝酸態チッソの還元酵素となるモリブデンを使った低減処理も検討されていますが、収穫量を落とさずに3000ppmをクリアするのは至難のようです。
Si22を使用した硝酸態チッソの低減効果について、九州電力(株)総合研究所 生物資源研究センターの中原光久主幹研究員が2004年11月から2005年3月にわたって、「水耕ミツバ」で試験栽培と生育調査、結果分析をしていただいたので報告します。
水溶性ケイ酸カリ肥料が水耕ミツバ、セリ、ネギの生育及び葉内硝酸イオン濃度に及ぼす影響
(九州電力㈱総合研究所生産資源研究センター)
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